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全手動かんそうき

本とか漫画とか映画とかアニメとかの感想をつらつらと



冴えない彼女の育て方♭ #1「冴えない竜虎の相見え方」感想

竜と虎。霞ヶ丘詩羽と澤村・スペンサー・英梨々。決して犬と猿では無い。

ちなみに、どっちが竜でどっちが虎かというのは議論するまでもないだろう。
ライトノベル=ドラゴンマガジン
エロ同人=とらのあな
ということで。

◎アバン〜OP

今日も今日とて、作品の方向性?を巡り、きーきーくどくどケンカするクリエイターお二人。
なお、このとき英梨々が見せるプロット的なものをよく見ると、本編における詩羽と美智瑠の肉体的特徴の差異もわかるようになっていて興味深い。

そんな二人を見て、彼女たちがなんで仲が悪いのかなとか信じがたいセリフを臆面もなく口にする倫也に、難聴鈍感最低ウンコ主人公くんと言ってのける恵。
今回は、こんな日常に至る前の、この光景を成り立たせる背骨となる二人の出会いの話。

OPは物憂げなヒロインたち、澄まし顔で髪なんかいじっちゃって彼女らの内面やいかに、と思わせる。
扱いを見るに、今シリーズは英梨々がスポットライト浴びるのかなと。まあクレジット順でいえば正ヒロインなのだが。

そういや安芸くんOPに出てこないのね。まあ、物憂げなヒロインたちが想いを馳せているのは、きっと彼のことなんだろうなと、姿を見せずとも存在感は発揮しているが。
 


◎Aパート

一年前の出会い。
まだ作品を絶賛してくれる大好きな男の子としてのみ倫也のことを捉え、親密にしている詩羽に、因縁をふっかけてくる英梨々。強気に応戦する詩羽。
まあ冴えてるか冴えてないかでいえば冴えてない部類の相見えかたといえる。

同時に、英梨々は突如現れた憎き恋敵が、深夜3時過ぎまで夢中で読み込み、サイン会が締め切っていて落胆するほどに心を掴まれた小説の作者だったことを知り、複雑に煩悶。

一方の詩羽も、いきなりケンカ吹っかけてきて、しかもどうやら倫也とは因縁浅からぬ間柄であるらしい恋敵のことを知るべく、美術室のアトリエに凸撃して……
ところで、ここで異様な存在感を放ち、提供バックにも使われた妙に可愛い眼鏡っ娘美術部員に関しては、卑怯なやり口だなあと。(褒め言葉)


◎Bパート

朝の校門で詩羽の待ち伏せ。このシーンで、モブに加藤がいないか探してみたが見当たらなかった。
絶対こういうところで仕掛けてくると思ったんだが……この右上とかそうだったりするかな?

ともあれ、屋上で再び相見える二人。
エロ同人作家であることを看破された英梨々が、それをタテに陵辱地獄に落とされる妄想したりしつつ。
今度は恋敵としてのみならず、クリエイター同士としてもぶつかり合い、そしてお互いへの尊敬と共感が芽生えかける。

が、女と女の場合、食い物の恨み以上に、男絡みの恨みの方が恐ろしい。
すぐさまお互いに醜い罵り合い……それも、結局加藤恵の一強なのではと思わざるを得ないような内容のディスの応酬を交わしーーー
 



一年が経ち、ひょんなことから同じサークルメンバーになった龍虎は、今もなお安芸倫也を巡って火花を散らし、悪態をつきあっている。

が、その一方で、尊敬するクリエイター同士、ひとつの作品に取り組むという、最高に幸せな関係性でもあったりしていて。
ちょっとだけ素直になって、一年越しの念願だったお互いのサインをゲット。
ここで加藤が二人の想いを知ってか知らずか、一役買っているあたりも素晴らしい。


◎所感

エエ話だったなぁと。#0の感想でも書いたが、クリエイター同士が妥協し合うのでなく、尊敬し合って相乗してモノを作り上げていく姿こそがこの作品の魅力だなあと、改めてつくづく。
てか、構成的に、この回が1期の最終回なら綺麗だったんじゃないかなーと。
(原作未読なので、この回が1期終了後の発表とかだったらすいません)

まあ、ある部分では対立関係にあるメインキャラ二人の、根幹のところでの尊敬と信頼を初っ端に描くということは、今回のシリーズでは第三者と対峙しての共闘が多くなるか、逆にヒビが入る展開になるのではないかと予想もされる。
(本当に原作はまったくの未読で、今後の展開も知らないのです。見当違いならすいません)

とりあえず、第2期の実質的な物語スタートとなるであろう、次回が楽しみである。

冴えない彼女の育て方♭ #0「恋と純情のサービス回」感想

今期唯一リアルタイムで追っかけていく予定のアニメである。
よく知らない方には、いわゆる萌えとかそっち系のキモブタ御用達のアニメと見られているようだが、それは大きな誤解である。

が、誤解を増長させるような回を初っ端に持ってくる心意気は良し。
まあさすがにフジテレビ系での地上波初回にコレを持ってくることは出来ないだろうが。

第1シーズンの0話同様、タイトル通りのサービス回のフリをして存分に眼福を与えて、後半パートではサークルメンバーそれぞれ作品作りには真剣に向き合っている様子を描き、ああ素晴らしいチームだなあと晴れやか爽やかな気持ちにさせてくれるという構造。
その辺も含めてのサービス回といえるのかもしれない。
あと、前期ダイジェストのOPも気が利いているなあと。 



舞台はお台場のプール付きの高級ホテル。二期発進に向けて、メタ的な会話を交わすところから幕開け。
こんなところに、美女5人とやって来てくんずほぐれつのお楽しみとか、現実の世界でコレを実現させるにはどれぐらいの地位に上り詰める必要があるのか見当もつかない。
しかも女性たちはビジネスでやってるわけではないときている。そんな桃源郷は一体世界のどこにあるのか。

そんな異次元級の幸福を享受している安芸倫也くんだが、二次元の女の子にしか興味ないと、もはや自分に言い聞かせてるだけのような信仰もあって、デレデレすることもなく、振り回されてひたすら困惑するばかり。
観ている方としては、何なのコイツとしか思えない。水着の前が膨らんでいる描写が見当たらないのも不自然である。あ、そういうことなのか? それなら色々合点がいくが。お気の毒。

それはさておき、こういう回だけあって作画は気合い入りまくりで嬉しい限り。まあ崩壊作画で水着回やったところで、サービスもクソもないわけだが。

とりわけ後ろ姿の書き込みが何というか。

もう、ありがとうございます、としか言いようがない。

楽し羨ましの中、女性たちの肉体的魅力ばかりでなく、キャラクターとしての特徴もしっかり描かれており渋滞していないのは見事。

肉感的にぶつかってくる氷堂美智留
搦め手から抜け駆けしようとしてくる霞ヶ丘詩羽
そいつらにカリカリする澤村・スペンサー・英梨々
ひっくるめて冷ややかな目でみる加藤恵

それぞれ魅力あるキャラクターだが、ひとつ言えることがあるとしたら、やっぱ無いより有る方が良いかなってことだろうか。英梨々には申し訳ないが。

そんな最中、波島出海がやってきて、まともに対面したのは初めての英梨々とバチバチ。何気に今後に向けて結構な重要シーンなのでは。
ここでの二人を対比してみても、やっぱ無いより有る方が……

後半パートでは、詩羽先輩の抜け駆けがいつものごとく失敗し、カラオケにメンバー集合。

それにしても、この展開、この会話で、倫也が詩羽先輩や英梨々に想いを寄せられていることに気づかないとか絶対有り得るわけないよなと。男って、ちょっと親しげに口きかれただけで「この女、俺に気があんのかな?」と勘違いする生き物よ。
「鈍感男」ですべて片付けるのも無理があるかと。 



美智留の作ってきたゲーム用BGMを聴き、クリエイターモードに切り替わり、恵いわく「いい感じ」になる英梨々と詩羽先輩。
個人的にはこの空気こそがこの作品の最大の魅力。

映画とかドラマとかアニメとか、大勢の人間が製作に携わる作品の現実。
作り手が1人加わるごとに、意図が1つ増えるごとに、しがらみも1つ増え、妥協が生まれ、作品は少しずつ不本意なものになっていく。
部分的に相乗効果が生まれることは勿論ある。が、結果出来上がりとして素晴らしい作品も作れたとしても、必ずどこかで誰かが理想を妥協している。

「冴えない彼女の作り方」シリーズで描かれるのはその逆の創作風景。
お互いリスペクトし合っているクリエイターたちが、プロデューサーの理想を体現すべく、全力を尽くし、妥協せず作品を作っていく。

まあ、そういうテーマを美少女ハーレム物という下敷きに乗せる必要があるかと言われれば返答に詰まるところだが、観ていて心地良く、面白いのだから仕方がない。

なので、この作品は決してキモブタ御用達の、ちょっとエッチなオカズ系アニメなんかではなく、自分もまたそのような下賎な目線では観ていないことを理解していただければ幸甚である。
なので、あのメンバーの誰が好きとかいう議論もまったくのナンセンス。


あんな子たち、お相手できるなら誰でも良いに決まってんだろ。

柊あおい 「星の瞳のシルエット」1巻 感想 (前編)

ブログ開設第一弾に取り上げたのは、柊あおいの伝説的名作漫画「星の瞳のシルエット」

かつて全国250万乙女のバイブルと呼ばれた少女漫画を、40間近のオジさんが読んで感想をブログに書き連ねる。
客観的に見て、気持ち悪いと謗られても仕方のないところだろう。

めげずにおおよそ30年物のりぼんマスコットコミックス版を再読。
懐かしさと愛おしさと、そしてやはり面白さに溢れた作品である。

 


◎夜空を見上げる三人

 

 物語は、夜の帰り道、星空を見上げる香澄、真理子、沙樹の3人の会話から始まる。

夜空の星の中でいちばん明るい星・シリウスを見つめ、遠い記憶を思い起こす香澄に対し、地面に落ちている100円玉を獲得し喜んでいる真理子。
彼女が長い長い歩みを経て、結局全天に輝く一等星のような想い人とは結ばれなかったが、地味ではあっても確かな益をもたらす男の子との縁を獲得することを暗示しているのだろうか。
そんな強引な解釈を交わしたりしなくとも、やがてこの三人の関係がぐちゃぐちゃになり、苦悩を抱え、想いをぶつけ合い、そして再生をしていく物語を知る身としては、一種の感慨を抱く冒頭である。

主要人物七者七様、恋と友情とに散々揺れ動き、葛藤し、苦悩を抱え、それぞれ精一杯の思いで行動し、絡み合ってまたややこしいことになったりドツボにはまったり。

そんな長い長い物語は、静かに始まった。

 

 

◎想い出と再会

 

朝の登校シーン。わずか3ページで三人娘+司の人となりや関係性が大体わかる、見事なイントロダクションとなっている。
しっかりしているように見えて、忘れ物が多く、ドジなところがある沢渡香澄。彼女のこの特性は、中学時代の間は物語を進める重要な要素の一つとなる。
ケーキ屋の案内を見て表情を輝かせる森下真理子。
団地で隣同士の泉沙樹と白石司は、朝から悪態をつき合いながら競走するように登校。司は、少女漫画の世界にのみ時折生息が確認される、学校のモテ男ポジションである。
なお、スケッチブックの存在で、三人娘と司が違うクラスであることをあらわすあたり芸が細かい。

きっといつものように楽しい学校生活。真理子が好きな人ができたことを二人に伝える。

「あのね…1組の久住くん。きゃ~~ん、いっちゃったぁ(はぁと)」

親友二人に、自分の好きになった人をカミングアウトする真理子は、恋の喜びで溢れている。こんな幸せな恋心が、香澄を、久住を、司を、そして真理子自身をも長く長く縛り付けることになるとは、この時点で誰も知らない。

そんな真理子をはじめ、みんな恋とか片思いとかソワソワする年頃、14歳。
じゃあ自分は……と、星のかけらをもらったあの日の記憶を思い起こす香澄。
自分には宝物のような想い出を塗り替えるような恋なんてやってくることないだろうなと。そんな気持ちでいたところに、出会いが訪れる(実は再会)。

弓道場にてすべって転んで放り投げてしまった鞄を受け取ってくれた男の子。
どっからどう見ても、ついさっき自分が回想した記憶の中の少年が成長した姿なのだが、香澄は気付かずにただときめくばかり。

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あれっ、あのときのあの子やん! とはならないものだろうか。

弓道姿に惹かれ、てへっと舌を出した表情に射抜かれるやいなや、その人が真理子の想い人である久住智史くんであると知らされ、ちょっとがっかり。

ちなみに、このとき久住くんの方は、沙樹が香澄の名前を呼んだことに反応し、これが出会いでなく再会であることに気付いている。
こういう「視点人物の主人公よりも、実は相手の男の子の方が先に意識をしている」というのは少女漫画でよくある構図な気がする。同作者の天沢聖司なんてその典型かと。

 


◎募る想いとクッキングクラブ

 

生徒手帳の一件や、早朝練習する姿を目の当たりにしたりで、急速に久住くんを意識し始める香澄。こりゃ完全に惚れてますわの状態になりつつある中、真理子の提案でクッキングクラブを作ることに。

調理室の窓から弓道場が見える=毎日久住くんが見れる→調理室を使用したクラブ活動を始めよう!

よくよく考えたら、なかなか凄まじい発想と行動力だなと。

異様に理解があり、また活動中に顔を出すわけでもない、とんでもなく便利な顧問も確保し、楽しく料理本を購入し、いよいよ活動開始。

こうして久住くんを毎日見るためのナイスアイディアは実現に至り、幸せいっぱいの真理子だったが、これが香澄と久住くんをも接近させることに繋がるとは、露ほども思っていないのだった。


当初、作品全体で感想記事書こうと思い、再読を始めたものの、こりゃ1巻1記事のペースでいかないと書ききれないなと思い直して、いざ書き始めたところ第1話だけで1記事になってしまった……

まあ初回なのである程度は丁寧にいかないと仕方ないだろうか。次回からもう少しサクサクとやっていけるかなと。