全手動かんそうき

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とんねるずのみなさんのおかげでした 2018年3月8日放送回 感想

いよいよこの番組もフィナーレが近づいてきた。
近年はさほどチェックしていなかったものの、アラフォーの元テレビっ子としてはあまりにも思い入れの強い番組による、その思い入れを刺激しまくりの放送回。
そんなん観てしまい、思わずほぼ1年ぶりにこちらのブログを稼働してしまった次第。


前半はコントヒストリーと題して『仮面ノリダー』をはじめとする、番組の主に前期を彩ったコント名場面集。

これがまあ、懐かしいのなんのって。
まんまと熱心に観ていた頃の記憶が蘇ってきて、笑ったり、往時のこの番組の勢いに改めて驚いたりしつつも、遠い追憶にしみじみとしてしまったり。

そういえば小学生だったあの頃、クラスの大半がみなさんのおかげですを最も好きなテレビ番組に挙げていた。
子供たちは、決して内輪ネタ満載のナンセンスコントとしてではなく、ひとつの物語として仮面ノリダーに熱狂し、休み時間には『仮面ノリダーごっこ』が行われていた事実は、当時を知らない人には信じられないのではないだろうか。

あと若い頃の宮沢りえの超絶可愛さときたら。
あの子が人気絶頂の18歳当時に裸になって、その写真を普通にテレビ番組で流していたというのだから、現在とは隔世の感がある。
余談だが、当時何かのクイズ番組で「宮沢りえが股間を隠している手は右手と左手どちらが上でしょう?」という問題があり、そのおかげでいまだに自分はあのポーズを正確にマネすることができたりする。
(正解は左手のはず)

あのノリさんの死亡コントは、子どもながらにさすがにジョークだろうとわかって見ていたが、確か15〜20分ぐらいは引っ張ってて「え、まさかマジじゃないよな……?」と薄っすら思いかけてきてのノリさん登場にホッとしたのを覚えている。
アレは確かに当時ものすごい話題になった。

まあ尺や諸事情などにより、他にも観たかったのに入っていなかったコントも無数にあったのはやむを得ないところか。
とりわけ、宮沢りえやチェッカーズと並ぶ番組全盛期の常連ゲストだったキョンキョンのバブルスコントや、ノリダーに次いでみんな楽しみにしていた『それいけマサカズ』は観たかったなあ。
 


そして番組後半に大目当て。
とんねるずによる最新の、そして(少なくともこの番組においては)最後のコント『北の国から番外最終話 したの国から 2018年早春』

みなさんがゲストとメシを食い、若手芸人と遊ぶ番組になってもう何年経つだろう。
既にとんねるずはパフォーマーとして現役でなく、この新作コントも、ヘタをしたら老害感溢れるものになっていやしないかと危惧もしていたのだが、何とも失礼千万な杞憂だった。

二人のキャラ作りの上手さ、軽快さ、そしてエネルギーはまるで衰えておらず、何でもありのようでいて決して破綻はさせないギリギリのところで楽しみ、楽しませてくれる。
ひと言で言うと、最高のコントだった。
そうだ、これがとんねるずのノリなんだよと、どんな達者な芸人さんでも他には作り出せない世界を大いに楽しませてもらった。

ちなみに、演者5人は全員良かったが、とりわけ目を惹いたのは渡辺満里奈の好演。
この人自体、今やバラエティ出演、ましてとんねるずとコントだなんてとてつもなくレアなことであり、よくぞ出てきてくれたスペシャルゲストと言ってよい立場なのだが、その役目は宮沢りえに譲り、自身は迎え入れる側の役割に違和感なくまわれることがなにげに凄いなあと。
決して、若い頃のマリナさんであれこれ妄想した経験があるがゆえの過大評価ではあるまい。

期待以上に素晴らしいコントを楽しむことができたが、一方で胸が詰まるような感覚もあった。
正直、ちゃかしながらもこちらを泣かせにかかってきた石橋の長台詞はさほど響かなかった。(おまけ映像での言葉はかなり響いた)
むしろ、画面が楽しければ楽しいほど、どこか切ないような気持ちもしてきて。

劇中で純がハゲているというネタがあったが、石橋貴明も、木梨憲武も、渡辺満里奈も、宮沢りえも、随分年をとった。
そしてそれは、ブラウン管の前でワクワクしてこの番組を観ていたかつての少年も同じことである。
世の中は無常。時の流れは止められない。
 


視聴後にネットでザッと観たところ、やはり総じて今回の放送は好評で、終わるのを惜しむ意見がこれまでより俄然増えた様子。

が、もし番組を原点回帰のコント番組として存続としたところで、クオリティを保つことは可能なのだろうか。
もちろんやってみなければわからないのだが、おそらくは難しいんじゃないかと思う。

思えば皮肉な話ではあるが、番組終了ということになったからこそ、港浩一演出で、とんねるず・渡辺満里奈・宮沢りえ出演のバカバカしくも最高のコントは生まれたのではないかと。

最後に打ち上がった特大の花火。
エンドマークに拍手して、ああ良かったなあと余韻に浸りながら、どうしようもなく切ない気持ちを抱かせてしまうことは、とんねるずの本意ではないとは思うのだが。


番組は今回が最終回というわけでなく、あと2回か3回はある。
ラストコントというメインディッシュを披露した後、何を見せてくれるのか。
かなり前から囁かれている、ダウンタウンとの共演なんかもあったりするのか。
まだまだ興味と期待は尽きない。

とりあえず、来週全落で1週使っちゃうのがもったいないなあなんて思ったりもしつつ。