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全手動かんそうき

本とか漫画とか映画とかアニメとかの感想をつらつらと



冴えない彼女の育て方♭ #0「恋と純情のサービス回」感想

今期唯一リアルタイムで追っかけていく予定のアニメである。
よく知らない方には、いわゆる萌えとかそっち系のキモブタ御用達のアニメと見られているようだが、それは大きな誤解である。

が、誤解を増長させるような回を初っ端に持ってくる心意気は良し。
まあさすがにフジテレビ系での地上波初回にコレを持ってくることは出来ないだろうが。

第1シーズンの0話同様、タイトル通りのサービス回のフリをして存分に眼福を与えて、後半パートではサークルメンバーそれぞれ作品作りには真剣に向き合っている様子を描き、ああ素晴らしいチームだなあと晴れやか爽やかな気持ちにさせてくれるという構造。
その辺も含めてのサービス回といえるのかもしれない。
あと、前期ダイジェストのOPも気が利いているなあと。 



舞台はお台場のプール付きの高級ホテル。二期発進に向けて、メタ的な会話を交わすところから幕開け。
こんなところに、美女5人とやって来てくんずほぐれつのお楽しみとか、現実の世界でコレを実現させるにはどれぐらいの地位に上り詰める必要があるのか見当もつかない。
しかも女性たちはビジネスでやってるわけではないときている。そんな桃源郷は一体世界のどこにあるのか。

そんな異次元級の幸福を享受している安芸倫也くんだが、二次元の女の子にしか興味ないと、もはや自分に言い聞かせてるだけのような信仰もあって、デレデレすることもなく、振り回されてひたすら困惑するばかり。
観ている方としては、何なのコイツとしか思えない。水着の前が膨らんでいる描写が見当たらないのも不自然である。あ、そういうことなのか? それなら色々合点がいくが。お気の毒。

それはさておき、こういう回だけあって作画は気合い入りまくりで嬉しい限り。まあ崩壊作画で水着回やったところで、サービスもクソもないわけだが。

とりわけ後ろ姿の書き込みが何というか。

もう、ありがとうございます、としか言いようがない。

楽し羨ましの中、女性たちの肉体的魅力ばかりでなく、キャラクターとしての特徴もしっかり描かれており渋滞していないのは見事。

肉感的にぶつかってくる氷堂美智留
搦め手から抜け駆けしようとしてくる霞ヶ丘詩羽
そいつらにカリカリする澤村・スペンサー・英梨々
ひっくるめて冷ややかな目でみる加藤恵

それぞれ魅力あるキャラクターだが、ひとつ言えることがあるとしたら、やっぱ無いより有る方が良いかなってことだろうか。英梨々には申し訳ないが。

そんな最中、波島出海がやってきて、まともに対面したのは初めての英梨々とバチバチ。何気に今後に向けて結構な重要シーンなのでは。
ここでの二人を対比してみても、やっぱ無いより有る方が……

後半パートでは、詩羽先輩の抜け駆けがいつものごとく失敗し、カラオケにメンバー集合。

それにしても、この展開、この会話で、倫也が詩羽先輩や英梨々に想いを寄せられていることに気づかないとか絶対有り得るわけないよなと。男って、ちょっと親しげに口きかれただけで「この女、俺に気があんのかな?」と勘違いする生き物よ。
「鈍感男」ですべて片付けるのも無理があるかと。 



美智留の作ってきたゲーム用BGMを聴き、クリエイターモードに切り替わり、恵いわく「いい感じ」になる英梨々と詩羽先輩。
個人的にはこの空気こそがこの作品の最大の魅力。

映画とかドラマとかアニメとか、大勢の人間が製作に携わる作品の現実。
作り手が1人加わるごとに、意図が1つ増えるごとに、しがらみも1つ増え、妥協が生まれ、作品は少しずつ不本意なものになっていく。
部分的に相乗効果が生まれることは勿論ある。が、結果出来上がりとして素晴らしい作品も作れたとしても、必ずどこかで誰かが理想を妥協している。

「冴えない彼女の作り方」シリーズで描かれるのはその逆の創作風景。
お互いリスペクトし合っているクリエイターたちが、プロデューサーの理想を体現すべく、全力を尽くし、妥協せず作品を作っていく。

まあ、そういうテーマを美少女ハーレム物という下敷きに乗せる必要があるかと言われれば返答に詰まるところだが、観ていて心地良く、面白いのだから仕方がない。

なので、この作品は決してキモブタ御用達の、ちょっとエッチなオカズ系アニメなんかではなく、自分もまたそのような下賎な目線では観ていないことを理解していただければ幸甚である。
なので、あのメンバーの誰が好きとかいう議論もまったくのナンセンス。


あんな子たち、お相手できるなら誰でも良いに決まってんだろ。